「読みにくい」を「学べない」にしない再生パソコン

PC相談と提供

Windows11のパソコンを探しているので相談にのってほしい、と一人の女性が、「みやぎせんだいパソコン病院」へ来所されました。

「安くて、しかも安心できるよ、と知人に聞いてきました」
そう話されるその方の目的を伺って、私は思わず背筋が伸びました。

彼女は、ディスレクシア(読字障害)の子どもたちの学習を支援する塾を開くNPOを立ち上げようとしているとのこと。
しかも、仙台では唯一の塾になるそうです。

ディスレクシアとは何か

ディスレクシアは、知的な遅れがないにもかかわらず、文字の読み書きに強い困難を感じる特性のことです。
文字が反転して見えたり、行を追うのが難しかったり、人によって見え方はさまざまです。

努力不足でも、怠けでもありません。
「黒板の文字が読みにくい」「教科書を読むのに人一倍時間がかかる」
そんな理由で、自信を失ってしまう子どもたちが少なくないのが現実です。

「見え方」は、一人ひとり違う

「そこで、使う訓練するパソコンがほしい」
お話を聞きながら、私は展示されている一台のパソコンをみつめました。

それは、上蓋に相当するモニタ部分を外したノートパソコン。
一見壊れたパソコンのように見えるが、本体はまだ十分に使えるため、上蓋を外して技術者が整備したもの。
そこに外付けモニタを組み合わせれば、立派な学習用パソコンになるのではないか。

特にディスレクシアの子どもたちにとって、

  • モニタの大きさ
  • 文字の見やすさ
  • 画面との距離

これらは学習効率に直結しそうだ。
モニタを取り替えられる構成にすれば、一人ひとりの「見え方」に合わせて調整することができる。
それは、教える側にとっても、学ぶ側にとっても大きな意味があります。

寄付というかたちで

彼女の「どうしても、この塾を始めたい」という強い志に、私は深く共感しました。
そこで今回は、販売ではなく、設立支援の寄付として、

  • 整備したパソコン本体
  • 外付けモニタのセット

をお渡しすることにしました。

再生した情報機器が、学習につまずきやすい子どもたちの「できた」「わかった」につながるかもしれない。

パソコンは、人の未来を支える道具になる

なお、ディスレクシアという特性は、決してめずらしいものではありません。
たとえば、俳優のトム・クルーズや映画監督のスティーブン・スピルバーグ、科学者のアルバート・アインシュタインほか数多くの著名人が、ディスレクシアを公表していることで知られています。

彼らは、文字の読み書きに苦労しながらも、空間を捉える力や、物事を大きく見渡す視点といった特性を、自分の強みとして活かしてきました。
これは、能力の問題ではなく、環境との相性の問題であることを示しています。

だからこそ、「学びにくさ」を本人の努力だけに委ねるのではなく、道具や環境を整えることで支えるという選択が、もっと当たり前になってほしいと考えています。

今回お渡ししたパソコンとモニタのセットも、一人ひとりの学び方に合わせて調整できる環境への支援です。

学びをあきらめさせないために、そして、その子の持つ力が、いつか花開くために。
この塾が、子どもたちと、そのご家族にとって、安心して学べる居場所になることを、心から応援しています。

そして、ディスレクシアという特性が、「ハンディキャップ」ではなく、「その子なりの学び方の違い」として受け止められる社会に、少しでも近づくことを願っています。

    「学びを支える道具」としての情報機器が、そのお役に立てればうれしく思います。

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